スッタニパータ suttanipata

スッタニパータは、お釈迦様が実際にお話しされたことばです。

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08月

スッタニパータ  学生ピンギヤの質問1123の解説

1122 「四方と思惟(しい)と上と下と、これらの十方の世界において、あなたに見られず聞かれず考えられずまた識(し)られないなにものもありません。どうか理法を説いてください。それをわたくしは知りたいのです、ーこの世において生と老衰とを捨て去ることを。」

 

 

1123 師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。ひとびとは妄執に陥って苦悩を生じ、老いに襲われているのを、そなたは見ているのだから、それ故に、ピンギヤよ、そなたは怠ることなくはげみ、妄執を捨てて、再び迷いの生存にもどらないようにせよ。」

 

 

 

ピンギヤよ。ひとびとは、人間的思考の運動が止められずに妄執に陥って苦悩を生じ、老いに襲われているのを、そなたは見ているのだから、それ故に、ピンギヤよ、そなたは怠ることなく人間的思考の運動を制することに、はげみ、人間的思考の運動の反応の仕方から来るところの妄執を捨てて、再び迷いの生存にもどらないようにせよ。

スッタニパータ  学生ピンギヤの質問1119の解説

1120 ピンギヤさんがたずねた、「わたくしは年をとったし、力もなく、容貌も衰えています。眼もはっきりしませんし、耳もよく聞こえません。わたくしが迷ったままで途中で死ぬことのないようにしてください。ーどうしたらこの世において生と老衰とを捨て去ることができるか、そのことわりを説いてください。それをわたくしは知りたいのです。」

 

 

1121 師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。物質的な形態があるが故に、人々が害(そこな)われるのを見るし、物質的な形態があるが故に、怠る人々は(病いなどに)悩まされる。ピンギヤよ。それ故に、そなたは怠ることなく、物質的形態を捨てて、再び生存状態にもどらないようにせよ。」

 

 

ピンギヤよ。人間は、人間的思考の運動が止められず、両極端の想いによって起こる執着によってこの物質世界すなわち失われてゆく形態をもって生まれてくる。物質的な形態があるが故に、時間と共に人々が害(そこな)われるのを見るし、物質的な形態があるが故に、人間的思考の運動を止めることを怠る人々は病いなどに悩まされる。ピンギヤよ。それ故に、そなたは怠ることなく、人間的思考の運動を止めて物質的形態を捨てて、再び失われる生存状態にもどらないように解脱せよ。