795 (真の)バラモンは、(煩悩の)範囲をのり超えている。かれが何ものかを知りあるいは見ても、執着することがない。かれは欲を貪ることなく、また離欲を貪ることもない。かれは(この世ではこれが最上のものである)と固執することもない。
真の修行者は、人間的思考が運動によって作り出す煩悩の範囲をのり超えている。かれが何ものかを知りあるいは見ても、人間的思考の動きを静止しているので執着することがない。かれは人間的思考による欲を貪ることなく、また離欲(強く欲を離れたいという欲)を貪ることもない。かれはこの世ではこれが最上のものであるとこだわるることもない。修行者が、気をつけねばならぬこと、それは、人間的思考の運動すなわち快⇔不快の運動をしないことは勿論のこと、欲を捨てることに固執すなわちこだわらないこと、こだわりも人間的思考なのである。たとえ、修行方法がわかったとしても、人間的思考の高揚⇔沈滞の運動をしてはならない。全ての人間的思考の運動を制したときに、安らぎに至るのである。