851 未来を願い求めることなく、過去を思い出して憂(うれ)えることもない。[現在]感官で触れる諸々の対象について遠ざかり離れることを観じ、諸々の偏見に誘われることがない。
人間的思考の運動が求める幸せは、苦しみが付着している。すなわち幸⇔苦の運動である。一時的に幸せを掴んだとしても、それは運動をするので、必ず反対のものが目の前に現れるのである。そういった人間的思考の運動によって未来を求めることを静止する。人は、過去のことも思い出しては、心が運動をする。すなわち良かった悪かったである。そういった運動も気をつけて止めるのだ。そして現在においても、感覚的感受による快⇔不快と言う人間的思考の運動を離れて中道を歩むもの、かれは諸々の偏見に誘われることはない。かれはすべての運動を制して常に満たされ、安穏に満ちているのである。
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