1101 バドラーヴダさんがたずねた、「執著の住所をすて、妄執を断ち、悩み動揺することなく、歓喜をすて、激流を乗り超え、すでに解脱(げだつ)し、はからいをすてた賢明な(あなた)に切にお願いします。
1102 健き人よ。あなたのおことばを聞こうと希望して、多勢の人々が諸地方から集まって来ましたが、竜(ブッダ)のおことばを聞いて、人々はここから立ち去るでしょう。かれらのために善く説明してやってください。あなたはこの理法をあるがままに知っておられるのですから。」
1103 師(ブッダ)は答えた、「バドラーヴダよ。上にも下にも横にでも中間にでも、執著する妄執をすっかり除き去れ。世の中の何ものに執着しても、それによって悪魔が人につきまとうに至る。
上にも下にも横にでも中間にでも、人間的思考の運動による感覚的感受を制し、執著する妄執をすっかり除き去れ。世の中の何ものに執着しても、それによって人間的思考の運動すなわち、禍福が悪魔のように人につきまとうに至る。一時的に人間的思考の運動による快を得たとしても、それは、運動をするので、全く反対のもの、すなわち不快が目の前に現れる。この運動を人間はしているのである。この運動をしている限り、人は、快を得ても、悪魔のような不快につきまとわられる運動に陥るのである。
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