974 またさらに、世間には五つの塵垢(ちりあか)がある。よく気をつけて、それらを制するためにつとめよ。すなわち色かたちと音声と味と香りと触(ふ)れられるものに対する貪欲を抑制せよ。
またさらに、世間には五つの塵垢(ちりあか)がある。よく気をつけて、それらを制するためにつとめよ。すなわち5つの感覚器官から入る情報に対して人間的思考の運動(快⇔不快)の運動を制することである。目から入る情報であるところの色かたちを快、不快に分けてはならない。耳から入るところの情報である音声すなわち、褒められば、快と思い、けなされれば不快と思うことである。また舌で感じるところの味を快、不快に分けてはならない。鼻から入るところの香りを快、不快に分けてはならない。肌から感じるところの触(ふ)れられるものに対する感覚を快、不快に分けてはならない。これら5つの感覚的感受器官から入る情報を、両極端に分けないように常に気をつけ、塵垢を制したもの彼こそは、苦を制し安穏に満ちた聖者である。
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