871 「世の中で感官による接触は何にもとづいて起るのですか?また所有欲は何から起るのですか?何ものが存在しないときに、〈わがもの〉という我執が存在しないのですか?何ものが消滅したときに、感官による接触がはたらかないのですか?」
この無常の世の形成形態である「名称と形態とに依って感官による接触が起る。諸々の所有欲は両極端を求める欲求を縁として起る。人間的思考の運動(快⇔不快)を制して欲求がないときには、〈わがもの〉という我執も存在しない。形態が消滅したときには〈感官による接触〉ははたらかない。」
ここでは、修行者がお釈迦さまに中道での修行方法を詳しくお尋ねされている。人間的思考の運動(快⇔不快)が起こる元となっている接触についての質問である。また、そこから立ち上がった人間的思考の運動(快⇔不快)の両極端を掴もうとする所有欲が何故立ち上がるのか?また、「わがもの」と言う所有欲が存在しなくなる状況について、あるいはどうしたら接触をなくせるのか?その問いに対してお釈迦さまは、「この世に形あるものとして生起(生まれ)てくると接触が発生する。その接触によって両極端を求める所有欲が発生する。故に人間的思考の運動(快⇔不快)を止めてその欲求を制すればわがものと言う我執が無くなり、その状態で「形態が消滅=死」を迎えれば輪廻から解脱しこの世に転生してくることは無くなるのである。」とお答えになられた。
コメントを残す