843 そのバラモンはどうして『(わが説は)真実である』と論ずるであろうか。またかれは『(汝の説は)虚偽(きょぎ)である』といって誰と論争するであろうか?『等しい』とか『等しくない』とかいうことのなくなった人は、誰に論争を挑(いど)むであろうか。
比較対象が止められない修行者。すなわち自らの人間的思考の運動(真実⇔虚偽)が止められない修行者。かれは人間的思考の運動(真実⇔虚偽)を制した修行者と論争することはかなわない。思考の運動によって論争に勝ったから真理を視る事ができるのではない。人間的思考の運動(真実⇔虚偽)を止めた修行者は、あるがままに真理を視る。すでに真理を視て悟った修行者は、他と論争する必要さえないのである。
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