人は、人間という動物の身体に入り、目の前に現れる現象に対して、あれこれと思考する。その思考は、やむことなく煩悩の対象を追いかけ、掴んでは、また次の対象を追いかける。実にそのような人々は、対象を手放す事をせず、対象を追いかける。この世は無常であるから、その対象が離れるときに、対象を掴んで離さない人々は、苦を生じるのである。故に次の対象を求め、迷い彷徨う。聖者はそれを知って、自らの思考を止めて、対象を手放し、その対象と共に苦しみをも手放して、苦しみの対象から遠ざかり、遂には真理を見て、安穏に至ったのである。
スッタニパータ 772 (第5の視点)
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