スッタニパータ  欲望776,767の解説 (第2の視点)

766 欲望をかなえたいと望んでいる人が、もしもうまくいくならば、かれは実に人間の欲するものを得て、心に喜ぶ。

 

 

767 欲望をかなえたいと望み貪欲(とんよく)の生じた人が、もしも欲望をはたすことができなくなるならば、かれは、矢に射られたかのように、悩み苦しむ。

 

 

人間的思考の運動による両極端の欲望をかなえたいと望んでいる人が、もしもうまくいくならば、かれは実に人間の欲するものを得て、心に喜ぶ。欲望をかなえたいと望み貪欲(とんよく)の生じた人が、もしも欲望をはたすことができなくなるならば、かれは、矢に射られたかのように、悩み苦しむ。このように人間的思考の運動(喜⇔苦)の運動を繰り返すならば、かれには、禍福の如く荒波が襲いかかる。あるときは喜び、あるときは苦しむ。この人間的思考の喜びを捨てない限りそれは運動をするので、かれには苦しみが牛車のごとく付いてまわるのである。