1036 アジタさんがいった、「わが友よ。智慧と気をつけることと名称と形態とは、いかなる場合に消滅するのですか?おたずねしますが、そのことをわたしに説いてください。」
1037 「アジタよ。そなたが質問したことを、わたしはそなたに語ろう。識別作用が止滅(しめつ)することによって、名称と形態とが残りなく滅(ほろ)びた場合に、この名称と形態とが滅びる。」
「アジタよ。そなたが質問したことを、わたしはそなたに語ろう。両極端に分別する人間的思考の運動による識別作用が止滅(しめつ)する。すなわち運動を止めることによって、名称と形態とによる分別する意識が残りなく滅(ほろ)びた場合に、この名称と形態とが現れる作用が滅び、目の前に現れなくなる。すなわち名称と形態からの解脱である。」
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