936 水の少ないところにいる魚のように、人々が慄(ふる)えているのを見て、また人々が相互に抗争しているのを見て、わたくしに恐怖が起った。
抗争に関わる人間的思考の運動すなわち戦争⇔平和である。人間的思考の求める平和は、運動をするので戦争⇔平和を繰り返す。この人間的思考の平和は、平和らしきものであって、失われる変化のうちにある。運動をするので必ず反対のもの戦争へと変化していく。水の少ないところにいる魚のように、変化する運動のうちにある人々が慄(ふる)えているのを見て、また人々が相互に抗争し、運動しているのを見て、わたくしに恐怖が起った。人は、自らの一方的な見方による平和を求めて戦争を起こす。その結果による平和は、他の犠牲によって成り立っているのである。他の犠牲によって成り立つ平和と呼ばれるものは、一時的なものであって、変化するものだと知れ。修行者は、自らの視点に立った一方的な平和らしきものを貪り求めることなく、戦争⇔平和という人間的思考を制し中道を保って世の中を遍歴せよ。
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