924 食物や飲料や硬(かた)い食べものや衣服を得ても、貯蔵してはならない。またそれらが得られないからとて心配してはならない。
人間は、何かを手に入れては「安心」し、得られないと「不安」になる。このような「安心」⇔「不安」と言う人間的思考の運動を繰り返す。この世は無常であるから、何かを手に入れても、必ずそれは失われる。逆に手に入らなくとも変化をして行き状況は変わる。人間的思考の運動を繰り返すと、食物や飲料や硬(かた)い食べものや衣服を得ると「安心」し心は動揺する。またそれらが得られないと逆の「不安」へと心が両極端に運動し煩悩の荒波へと変化する。聖者はそれを知って、この「安心」⇔「不安」という運動を離れたところに住し、人間的思考の運動を止め遂には、安穏へと至るのである。
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