911 バラモンは正しく知って、妄想分別(もうそうふんべつ)におもむかない。見解に流されず、知識にもなずまない。かれは凡俗の立てる諸々の見解を知って、心にとどめない。ー他の人々はそれに執着しているのだが。-
人間は、妄想分別により、ものごとをすぐに快、不快に分け、自らの好みにもとづいた判断をする。そして、諸々の見解を立てるのである。聖者は、自らの人間的思考の運動を制し、妄想分別に赴かない。人間的思考による偏った考えに流されず、知識にとらわれることもない。かれは、人間的思考の運動を続けている人々が立てる諸々の偏った見方を見て、これは、このような運動によりこのような見解になると知り、執着することはない。人間的思考の運動が止められない人々は、それに執着をしているのだが。
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