スッタニパータ suttanipata

スッタニパータは、お釈迦様が実際にお話しされたことばです。

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スッタニパータ 並ぶ応答ー長篇897の解説

スッタニパータ 並ぶ応答ー長篇897の解説

897 すべて凡俗の徒のいだく、これらの世俗的見解に、智者は近づくことがない。かれは、見たり聞いたりしたことがらについて「これだ」と認め知ることがないから、こだわりがない。かれはそもそもどんなこだわりに赴(おもむく)くのであろうか?

 

 

人間は、新しい発見に心が動き運動をする。すなわち「これだ」と思うのである。その瞬間心が快へ大きく動く、それは人間的思考の運動であるから、かならず反対へ振り子のごとく動くのである「違う」である。この「これだ」⇔「違う」の運動をする。すべての凡俗の徒は、この快⇔不快の運動にもとづいてそれぞれの見解をいだき執着をする。智者は、この運動を止めるものであるから、その運動に近づくことはない。かれは、見たり聞いたりしたことを両極端すなわち快⇔不快に分けることがないので、「これだ」と思い入れることはないから、こだわりがない。すなわち執着をしない。かれはすべてのことがらについての人間的思考の運動を制して、寂静の境地に至っているのである。

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