844 家を捨てて、住所を定めずにさまよい、村の中で親交を結ぶことのない聖者は、諸々の欲望を離れ、未来に望みをかけることなく、人々に対して異論を立てて談論をしてはならない。
人間には、人間的思考の想いがある。それは、家であり、その住所に根をおろすことであり、村の中での親交である。人間的思考の動きには、反復する運動があるのであるから、親交があれば敵対が生まれ、家に執着をし、住所にこだわり執着をする。聖者は、諸々の絆を捨て去り、家を捨てて、住所をも捨てて、村の中においても何かを求めて親交を結ぶことがない。諸々の欲望を離れ、未来に何かを欲する想いを捨て去っているのであるから、人々に対して異論を立てて談論してはならない。人が動くとき、そこには想いがある。その想いを制して聖者は中道を歩むのである。
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