814 ティッサ・メッテイヤさんが言った、ー「きみよ。淫欲の交わりに耽(ふけ)る者の破滅を説いてください。あなたの教えを聞いて、われらも独り離れて住むことを学びましょう。」
815 師(ブッダ)は答えた、「メッテイヤよ。淫欲の交わりに耽る者は教えを失い、邪(よこしま)な行いをする。これはかれのうちにある卑(いや)しいことがらである。
淫欲の交わりに耽るものは、人間的思考(快⇔不快)の運動を制するという教えを失い、快を得るためによこしまな行いをする。これは、かれのうちにある動物的なことがらである。この人間的思考の運動にもとづいた行動は、必ず運動をするので、一時的に快を得たとしても、必ず逆の不快が現れるのである。かれはそれを得ては喜び、得れないならば憂う。そして、周りを見ては、心が浮き沈みするのである。修行者は、この人間的思考を喜んではならない。たとえ一時的にそれを得られたとしても、必ず失われるのである。この運動をしている限り心に安穏は無い。修行者は、その人間的思考の運動を離れて、快には、不快が付着していることを知って自らを制し、遂には彼の岸に到達するのである。
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