799 智慧に関しても、戒律や道徳に関しても、世間において偏見をかまえてはならない。自分を他人と「等しい」と示すことなく、他人よりも「劣っている」とか、或いは「勝れている」とか考えてはならない。
人は、智慧に関しても、戒律や道徳に関しても、世俗的な見方によって、人間的思考の運動が立ち上がらないように注意せよ。すなわち人と比較をして、心が浮き沈みする運動である。この人間的思考の運動に陥ると、人と比較しては、勝っていれば、喜び、劣っていれば、悲しむ、等しければ安心をする。人より勝っていれば、解脱できるのではない。その見方が人間的思考である二元の運動なのである。それを知って聖者は、その心の運動こそが、人間的思考である事を知って、その運動から離れて中道に至るのである。
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