790(真の)バラモンは、(正しい道の)ほかには、見解・伝承の学問・戒律・道徳・思想のうちのどれによっても清らかになるとは説かない。かれは禍福に汚されることなく、自我を捨て、この世において(禍福の因を)つくることがない。
世の人々は、見解・伝承の学問・戒律・道徳・思想を見たり聞いたりしてはそれらを、人間的思考の運動(好き⇔嫌い)によって分けては、それらを掴み、また捨てる。そうしては禍福の因を作っていく。真の修行者は、それらを掴むことによって、清らかになるとは説かない。修行者は、自らの人間的思考の運動(好き⇔嫌い)に常に気をつけ、それらの見方を捨て去って、両極端に汚されることなく中道を歩み遂には清らかになるのである。