スッタニパータ suttanipata

スッタニパータは、お釈迦様が実際にお話しされたことばです。

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2018年

スッタニパータ  学生ピンギヤの質問1146の解説

1146 「ヴァッカリやバドラーヴダやアーラヴィ・ゴータマが信仰を捨て去ったように、そのように汝もまた信仰を捨て去れ。そなたは死の領域(りょういき)の彼岸(ひがん)に至るであろう。ピンギヤよ。」

 

 

 

「ヴァッカリやバドラーヴダやアーラヴィ・ゴータマが人間的思考の運動(好き⇔嫌い)による反応で掴んだ信仰を捨て去ったように、そのように汝もまた人間的思考の運動を制し、信仰を捨て去れ。その信仰が人間的思考の運動による反応にもとづいた信仰であれば、その信仰によってまたこの無常の世に生れてくるのである。その信仰を最後に捨て去ることによって、そなたは死に支配される領域(りょういき)をはなれ、彼岸(ひがん)に至るであろう。ピンギヤよ。」

スッタニパータ  学生ピンギヤの質問1121の解説

1120 ピンギヤさんがたずねた、「わたくしは年をとったし、力もなく、容貌も衰えています。眼もはっきりしませんし、耳もよく聞こえません。わたくしが迷ったままで途中で死ぬことのないようにしてください。ーどうしたらこの世において生と老衰とを捨て去ることができるか、そのことわりを説いてください。それをわたくしは知りたいのです。」

 

 

1121 師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。物質的な形態があるが故に、人々が害(そこな)われるのを見るし、物質的な形態があるが故に、怠る人々は(病いなどに)悩まされる。ピンギヤよ。それ故に、そなたは怠ることなく、物質的形態を捨てて、再び生存状態にもどらないようにせよ。」

 

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ピンギヤよ。物質的な形態(無常の世の形)があるが故に、人々が時間と共に害(そこな)われるのを見るし、物質的な形態があるが故に、怠る人々は、変化し、病いなどに悩まされる。ピンギヤよ。それ故に、そなたは怠ることなく、人間的思考の運動を止める事によって物質的形態を捨てて、再びこの運動し変化する無常の世へ執着することを制し、生存状態にもどらないようにせよ。

スッタニパータ  学生モーガラージャの質問1119の解説

1116 モーガラージャさんがたずねた、「わたくしはかつてシャカ族の方に二度おたずねしましたが、眼(まなこ)ある方(釈尊)はわたくしに説明してくださいませんでした。しかし『神仙(釈尊)は第三回目には説明してくださる』とわたくしは聞いております。

 

 

1117 この世の人々も、かの世の人々も、神々と、梵天(ぼんてん)の世界の者どもも、誉(ほま)れあるあなたゴーダマ(ブッダ)の見解を知ってはいません。

 

 

1118 このように絶妙な見者(みて)におたずねしようとしてここに来ました。どのように世間を観察する人を、死王は見ることがないのですか?」

 

 

1119 (ブッダが答えた)、「つねによく気をつけ、自我に固執する見解をうち破って、世界を空(くう)なりと観ぜよ。そうすれば死を乗り超えることができるであろう。このように世界を観ずる人を、〈死の王〉は見ることがない。」

 

 

 

ブッダが答えた、「人間的思考の運動による反応の仕方につねによく気をつけ、自らの反応の仕方に固執する見解をうち破って、無常を覚り世界を空(くう)なりと観ぜよ。そうすれば、貪瞋癡をも撃破して、身口意を作らず、死をも乗り超えることができるであろう。このように世界を観ずる人を、死の王すなわち輪廻に赴かせる作用は起こることがない。かれは解脱したのである。

 

スッタニパータ  学生ポーサーラの質問1115の解説

1115 無所有の成立するもとを知って、すなわち『歓喜は束縛である』ということを知って、それをこのとおりであると知って、そこから(出て)それについてしずかに観ずる。安立したそのバラモンには、この〈ありのままに知る智〉が存する。」

 

 

 

無所有の成立するもとであるこの世の無常をを知って、すなわち『歓喜をもとめてうろつくことは束縛である』ということを知って、それをこの人間的思考の運動による反応の仕方のとおりであると知って、人間的思考の運動から出てそれ(反応の仕方)についてしずかに観ずる。安立(中道を獲得)したそのバラモンには、このありのままに知る智が存する。すなわち仏性の目覚めである。

スッタニパータ  学生ポーサーラの質問1114の解説

1112 ポーサーラさんがたずねた、「過去のことがらを説示し、悩み動揺することなく、疑惑を断ち、一切の事物を究めつくした(師)におたずねするために、ここに来ました。

 

 

1113 物質的なかたちの想いを離れ、身体をすっかり捨て去り、内にも外にも『なにものも存在しない』と観ずる人の智を、わたくしはおたずねするのです。シャカ族の方よ。そのような人はさらにどのように導かれねばなりませんか?」

 

 

1114 師(ブッダ)は答えた、「ポーサーラよ。すべての〈識別作用の住するありさま〉を知りつくした全き人(如来(にょらい))は、かれの存在するありさまを知っている。すなわち、かれは解脱(げだつ)していて、そこをよりどころとしていると知る。

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ポーサーラよ。すべての人間的思考の運動による識別作用(反応の仕方)の住するありさまを知りつくした全き人(如来(にょらい))は、何故かれがここに存在するのかを知っている。すなわち、かれは人間的思考の運動を制し解脱(げだつ)していて、中道をよりどころとしていると知る。すなわち人間的思考の運動を完全に制する事によりかれの人間的思考の運動は完全に制止し如来としての智慧と繋がることができたのである。

スッタニパータ  学生ウダヤの質問1111の解説

1110 「どのようによく気をつけて行なっている人の識別作用が、止滅(しめつ)するのですか?それを先生におたずねするためにわたくしはやってきたのです。あなたのそのおことばをお聞きしたいのです。」

 

 

1111 「内面的にも外面的にも感覚的感受を喜ばない人、このようによく気をつけて行なっている人、の識別作用が止滅するのである。」

 

 

「心による反応の仕方にも身体で感じる反応の仕方にも人間的思考の運動(快⇔不快)を制止し、感覚的感受を喜ばない人、このようによく気をつけて日々過ごしているいる人の識別作用が止滅するのである。」

スッタニパータ  学生ウダヤの質問1109の解説

1108 「世人は何によって束縛(そくばく)されているのですか?世人をあれこれ行動させるものは何ですか?何を断ずることによって安らぎ(ニルヴァーナ)があると言われるのですか?」

 

 

1109 「世人は歓喜に束縛されている。思わくが世人をあれこれ行動させるものである。妄執を断ずることによって安らぎがあると言われる。」

 

 

「世人は。人間的思考の運動(歓喜⇔非難)の運動による歓喜に束縛されている。この両極端の運動である歓喜を得たいと言う思わくが世人をあれこれ行動させるものである。このような人間的思考の運動である妄執を断ずることによって安らぎがあると言われる。」

スッタニパータ  学生ウダヤの質問1107の解説

1107 平静な心がまえと念(おも)いの清らかさ、ーそれらは真理に関する思索にもとづいて起こるものであるが、ーこれが、無明を破ること、正しい理解による解脱、であると、わたくしは説く。」

 

 

 

中道を極めた寂静な心と両極端を制した念(おも)いの清らかさ、ーそれらは真理に関する思索にもとづいて起こるものであるが、ーこれが、無明を破ること、自らの反応の仕方をよく理解したことによる無常の世からの解脱であると、わたくしは説く。」

スッタニパータ  学生ウダヤの質問1106の解説

1105 ウダヤさんがたずねた、「瞑想に入って坐(ざ)し、塵垢(ちりあか)を離れ、為(な)すべきことを為しおえ、煩悩の汚れなく、一切の事物の彼岸(ひがん)に達せられた(師)におたずねするために、ここに来ました。無明(むみょう)を破ること、正しい理解による解脱(げだつ)、を説いてください。」

 

 

1106 師(ブッダ)は答えた、「ウダヤよ。愛欲と憂(うれ)いとの両者を捨て去ること、沈んだ気持ちを除くこと、悔恨(かいこん)をやめること。

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ウダヤよ。人間的思考の運動(愛欲⇔憂い)を制止し、愛欲と憂(うれ)いとの両者を捨て去ること、人間的思考の運動(浮き⇔沈み)を制止し、沈んだ気持ちと浮いた気持ちの両者を除くこと、人間的思考の運動により変化が起こり悔恨が生ずる。人間的思考の運動を制し悔恨(かいこん)が生ずるような反応の仕方をしてならない。師はこのように説かれた。

 

スッタニパータ  学生バドラーヴダの質問1104の解説

1104 それ故に、修行者は明らかに知って、よく気をつけ、全世界においてなにものをも執してはならない。ー死の領域に愛着を感じているこの人々を〈取る執著ある人々〉であると観(み)て。」

 

 

 

それ故に、修行者は明らかに自らの人間的思考の運動による反応の仕方を知って、よく気をつけ、全世界においてなにものをも執してはならない。ーこの無常の世に生れることによって死の領域に愛着を感じているこの人々を取る執著ある人々であると観(み)て。人間的思考の運動を制して彼の岸へ到達せよ。