スッタニパータ suttanipata

スッタニパータは、お釈迦様が実際にお話しされたことばです。

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02月

スッタニパータ  学生ウパシーヴァの質問1072の解説

1071 ウパシーヴァさんがいった、「あらゆる欲望に対する貪(むさぼり)りを離れ、無所有にもとづいて、その他のものを捨て、最上の〈想いからの解脱〉において解脱した人、ーかれは退きあともどりすることなく、そこに安住するでありましょうか?」

 

 

1072 師は答えた、「ウパシーヴァよ。あらゆる欲望に対する貪りを離れ、無所有にもとづいて、その他のものを捨て、最上の〈想いからの解脱〉において解脱した人、ーかれは退きあともどりすることなく、そこに安住するであろう。」

 

 

師は答えた、「ウパシーヴァよ。あらゆる人間的思考の運動がもたらす欲望に対する貪りを離れ、無常を知り無所有にもとづいて、その他の人間的思考による喜びを捨て、最上の人間的思考の運動による両極端の想いから解脱した人、ーかれは退きあともどりすることなく、中道に安住するであろう。」

スッタニパータ  学生ウパシーヴァの質問1070の解説

1069 ウパシーヴァさんがたずねた。「シャカ族の方よ。わたくしは。独りで他のものにたよることなくして大きな煩悩の激流を渡ることはできません。わたくしがたよってこの激流をわたり得る〈よりどころ〉をお説きください。あまねく見る方よ。」

 

 

1070 師(ブッダ)は言われた、「ウパシーヴァよ。よく気をつけて、無所有をめざしつつ、『何も存在しない』と思うことによって、煩悩(ぼんのう)の激流を渡れ。諸々の欲望を捨てて、諸々の疑惑を離れ、妄執の消滅を昼夜に観ぜよ。」

 

 

師(ブッダ)は言われた、「ウパシーヴァよ。人間的思考の運動による反応の仕方によく気をつけて、無常を知って無所有をめざしつつ、『無常の世で常住は存在しない』と思うことによって無所有を知り、無知による煩悩(ぼんのう)の激流を渡れ。諸々の人間的思考の運動がもたらす欲望を捨てて、諸々の疑惑を離れ、妄執の消滅を昼夜に観ぜよ。」

スッタニパータ  学生ドータカの質問1068の解説

1067 「偉大な仙人さま。わたくしはその最上の安らぎを受けて歓喜します。それを知ってよく気をつけて行い、世の中の執著を乗り超えましょう。」

 

1068 師は答えた、「ドータカよ。上と下と横と中央とにおいてそなたが気づいてよく知っているものは何であろうと、ーそれは世の中における執著の対象であると知って、移りかわる生存への妄執をいだいてはならない」と。

 

 

師は答えた、「ドータカよ。上と下と横と中央とにおいてそなたが気づいてよく知っているものは何であろうと、その対象に対しての自らの反応の仕方、すなわち人間的思考の運動による反応の仕方である「好き⇔嫌い」に分けないように注意しーそれは世の中における執著の対象であると知って、移りかわる生存への、また手に入れたいと言う強い想いをいだいてはならない」と。人は、その想いによってこの無常である苦の世界に生れてくるのだから。

スッタニパータ  学生ドータカの質問1066の解説

1065 バラモンさま。慈悲(じひ)を垂(た)れて、(この世の苦悩から)遠ざかり離れる理法を教えてください。わたくしはそれを認識したいのです。わたくしは、虚空(こくう)のように、乱され濁ることなしに、この世において静まり、依りすがることなく行いましょう。」

 

1066 師は言われた、「ドータカよ。伝承によるのではない、まのあたり体得されるこの安らぎを、そなたに説き明かすであろう。それを知ってよく気をつけて行い、世の中の執著(しゅうじゃく)を乗り超えよ。」

 

 

師は言われた、「ドータカよ。伝え聞いたことによるのではない、まのあたり体得される修行法によるこの安らぎを、そなたに説き明かすであろう。それを知って人間的思考の運動による反応の仕方によく気をつけて自らを制し、世の中の執著(しゅうじゃく)を乗り超えよ。」

 

スッタニパータ  学生ドータカの質問1064の解説

1063 「わたくしは、神々と人間との世界において何ものも所有せずにふるまうバラモンを見ます。あまねく見る方(かた)よ。わたくしはあなたを礼拝いたします。シャカ族の方(かた)よ。わたくしを諸々の疑惑から解き放ちたまえ。」

 

 

1064 「ドータカよ。わたくしは世間におけるいかなる疑惑者をも解脱(げだつ)させ得ないだろう。ただそなたが最上の真理を知るならば、それによって、そなたはこの煩悩(ぼんのう)の激流を渡るであろう。」

 

 

「ドータカよ。わたくしは世間におけるいかなる疑惑者をも解脱(げだつ)させ得ないだろう、すなわち自ら修行しないものたちのことである。ただそなたが最上の真理を知り人間的思考の運動による反応の仕方を制する修行をしたならば、それによって、そなたはこの煩悩(ぼんのう)の激流を渡るであろう。」

 

スッタニパータ  学生ドータカの質問1062の解説

1061 ドータカさんがたずねた、「先生!わたくしはあなたにおたずねします。このことをわたくしに説いてください。偉大な仙人さま。わたくしはあなたのおことばを頂きたいのです。あなたのお声を聞いて、自分の安らぎ(ニルヴァーナ)を学びましょう。」

 

 

1062 師(ブッダ)が答えた、「ドータカよ。では、この世において賢明であり、よく気をつけて、熱心につとめよ。この(わたくしの口)から出る声を聞いて、自己の安らぎを学べ。」

 

 

師(ブッダ)が答えた、「ドータカよ。では、この世において、この世の中の法則を知り賢明であり、自らの人間的思考の運動による反応の仕方に、よく気をつけて、熱心に苦集滅道につとめよ。このわたくしの口から出る声を聞いて、自己の安らぎ(仏性であるニルヴァーナの境地)を学べ。」

スッタニパータ  学生メッタグーの質問1060の解説

1060 またかの人はこの世では悟った人であり、ヴェーダの達人であり、種々の生存に対するこの執著を捨てて、妄執を離れ、苦悩なく、望むことがない。『かれは生と老衰とを乗り超えた』とわたくしは説く。」

 

 

またかの人はこの世では悟った人であり、修行の達人であり、種々の生まれ変わりによる生存に対するこの執著を捨てて、人間的思考の運動による妄執を離れ、寂静にして苦悩なく、両極端に望むことがない。『かれは、この変化する世界に転生することはなく解脱し、生と老衰とを乗り超えた』とわたくしは説く。」

スッタニパータ  学生メッタグーの質問1059の解説

1057 「偉大な仙人のこのことばを聞いて、わたくしは喜びます。ゴータマ(ブッダ)さま。煩悩の要素のない境地がよく説き明かされました。たしかに先生は苦しみを捨てられたのです。あなたはこの理法をあるがままに知っておられるのです。

 

 

1058 聖者さま。あなたが懇切に教えみちびかれた人々もまた今や苦しみを捨てるでしょう。竜よ。では、わたくしは、あなたの近くに来て礼拝しましょう。先生!どうか、わたくしをも懇切に教えみちびいてください。」

 

 

1059 「何ものをも所有せず、欲の生存に執著しないバラモン・ヴェーダの達人であるとそなたが知った人、ーかれは確かにこの煩悩の激流をわたった。かれは彼岸(ひがん)に達して、心の荒(すさ)びなく、疑惑もない。

 

 

 

「この無常の世では、永遠の所有は得られないと知って、何ものをも所有せず、両極端による欲の生存に執著しないバラモン・ヴェーダの達人であるとそなたが知った人、ーかれは確かにこの煩悩の激流をわたった。自らの人間的思考の運動を制したかれは彼岸(ひがん)に達して、心の荒(すさ)びなく、智慧を獲得して疑惑もない。

スッタニパータ  学生メッタグーの質問1056の解説

1056 このようにしていて、よく気をつけ、怠ることなく行う修行者は、わがものとみなして固執したものを捨て、生や老衰や憂(うれ)いや悲しみをも捨てて、この世で智者となって、苦しみを捨てるであろう。」

 

 

このようにしていて、人間的思考の運動による反応の仕方によく気をつけ、怠ることなく中道を歩む修行者は、両極端の反応の仕方によりわがものとみなして固執したものを捨て、この世に再び生まれて来たいという想いもなく、生や老衰や憂(うれ)いや悲しみをも捨てて、この世で智者となって、苦しみを捨てるであろう。」

 

スッタニパータ  学生メッタグーの質問1055の解説

1054 「偉大な仙人さま。わたくしはその最上の理法を受けて歓喜します。その理法を知って、よく気をつけて行い、世間の執著を乗り超えるでしょう。」

 

 

1055 師が答えた、「メッタグーよ。上と下と横と中央とにおいて、そなたが気づいてよく知っているものは何であろうと、それらに対する喜びと偏執と識別とを除き去って、変化する生存状態のうちにとどまるな。

 

 

 

師が答えた、「メッタグーよ。上と下と横と中央とにおいて、そなたが気づいてよく知っているものは何であろうと、それらに対する人間的思考の運動による喜びと両極端に基づいた執着と識別(好き⇔嫌い)とを除き去って、変化する無常の生存状態であるこの世界にとどまるな。