864 世間において、愛し好むものは何にもとづいて起るのですか。また世間にはびこる貪(むさぼ)りは何にもとづいて起るのですか。また人が来世に関していだく希望とその成就(じょうじゅ)とは、何にもとづいて起るのですか?」
865 「世の中で愛し好むもの及び世の中にはびこる貪りは、欲望にもとづいて起る。また、人が来世に関していだく希望とその成就とは、それにもとづいて起る。」
世の中で愛し好むもの及び世の中にはびこる貪りは、人間的思考の運動(快⇔不快)による欲望にもとづいて起る。また、人が来世に関していだく希望とその成就とは、それにもとづいて起る。」人間の好みとは?すなわち人間的思考の運動によって好き⇔嫌いの2つに分け好きなものを貪り求める。たとえそれが得られたとしても、それは運動を繰り返すので、必ず正反対のもの「嫌い」が目の前に現れるのである。運動をするものであるから、求めたものが得られても、それは逆のものに変化していくのである。変化するので人はまた求めて来世に希望を抱くそしてまた生れてくるのである。なんどこの変化ある世界に生れてきても、変化は止むことはなく、その想いも止むことはないのである。それ故に修行者は、自らの人間的思考の運動を制し、運動を止めて遂には生れてくる想いも制せよ。
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