スッタニパータ suttanipata

スッタニパータは、お釈迦様が実際にお話しされたことばです。

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スッタニパータ 679、770、771の解説

スッタニパータ 679、770、771の解説

769 ひとが、田畑、宅地、黄金、牛馬、奴婢(ぬひ)、僱人(やといにん)、婦女、親族、その他いろいろの欲望を貪り求めると、

 

 

770 無力のように見えるもの(諸々の煩悩)がかれにうち勝ち危い災難がかれをふみにじる。それ故に苦しみがかれにつき従う。あたかも壊(やぶ)れた船に水が浸入するように。

 

 

771 それ故に、人は常によく気をつけていて、諸々の欲望を回避せよ。船のたまり水を汲み出すように、それらの欲望を捨て去って、激しい流れを渡り、彼岸に到達せよ。

 

 

 

人間が人間的思考の運動を静止する事を怠り二元の運動にもとづいて行動したならば、かれは欲望の欲するまま行動するであろう。しかし、この二元の運動(快⇔不快の運動)をしているので、一時的に欲するものが得られたとしても逆の現象も彼の前に現われる。また、得られたものも必ずかれの手を離れるときがくる。この二元の運動をしている限り、人はこの運動の激流から逃れることはできない。快は不快に変化する。そして、快を求めては、不快にも見舞われ、激流へと飲み込まれていくのだ。この運動に気をつけないものは、少しの気の緩みが破れた船に水か進入するかの如くかれに襲いかかる。故に、人は自らの運動によく気をつけ、諸々の欲望を回避せよ。そして、過去に作った欲望の癖をも船の溜り水を汲み出すように、それらの欲望を捨て去って、遂には彼の岸に到達するのである。

 

 

 

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